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美味しい静岡・いっぴんコラム

はばたけ!しずおか農芸品(8)うなぎの巻

万葉集の時代より食されている「うなぎ」。
日本のウナギ養殖の歴史はおよそ130年、静岡県の養鰻業は
明治24年(1891年)、湖西市(旧浜名郡新居町)から始まりました。

浸場(つけば)

選別作業

立場(たてば)

袋詰め作業

袋詰めされたウナギ

出荷風景

現在県内には浜名湖周辺と大井川流域の2か所に主な養殖ウナギの産地があります。今回は大井川の伏流水に恵まれた日本屈指の養殖うなぎの産地、吉田町にある静岡うなぎ漁業協同組合のご協力で、「静岡うなぎ」のお話を伺いました。(浜名湖地域には浜名湖養魚漁業協同組合の組合員が養殖する「浜名湖うなぎ」があります)

遠州灘から伊豆までの沿岸で天然のシラスウナギが採れる静岡県は、温暖な気候や豊富な水に恵まれています。また黎明期の養鰻業には焼津港などから水揚げされる新鮮なカツオやサバの「アラ」などを餌として与えられたことも、質の良いウナギが育つための要因でした。これらの条件に恵まれて、かつては養殖鰻生産量日本一を誇っていた静岡県の養鰻業ですが、輸入品による値崩れや稚魚の不漁などにより、養鰻業は縮小傾向にあるそうです。

そんな中でも静岡うなぎ漁協に登録された組合員は、平成25年現在、17軒。昔は露地だった養鰻池はビニールハウスに、エサも配合飼料に変わり、温度管理や栄養管理が徹底され、一年中安定した高品質のウナギが出荷できるようになりました。

養殖は稚魚である天然のシラスウナギを採るところから始まります。生産者は12月~4月までの寒い時期に漁獲されたシラスを入荷して養鰻池で育成します。体重0.2グラムのシラスが出荷時には200グラム以上、なんと1000倍にもなるんですね。

他の産地では6カ月で出荷になるものもありますが、ここ静岡うなぎでは8カ月以上かけてゆっくり大切に育成しているそうです。

もうひとつ静岡うなぎの特徴に、養殖場から出荷されたウナギを組合の浸場(つけば)と呼ばれるプールで一昼夜水に浸して身を引き締める工程があります。地下水が豊富な静岡県中部ならではですね。これによって、ウナギの持つ臭みなどが一層ぬけて、癖のない美味しいウナギになるそうです。

浸場で身を引き締めたウナギは、活場(いかしば)と呼ばれる槽に移されてしばし休息。2時間ほどしてウナギが落ち着いたら、ベルトコンベアで大まかに選別されたあと、熟練した職人の手で一匹ずつ丁寧に大きさが揃えられます。その後、サイズごとに仕分けられたウナギは、プラスチック製の籠に入れられ、立て場でさらに流水のシャワーを浴びて出荷を待ちます。これを活け締めといいます。こうして1日約2トンものウナギが選別、出荷されているのです。

午後の漁協では、いよいよウナギが旅立っていきます。専用のビニール袋にウナギを移したら、動きを抑えるために氷の塊を入れて、酸素をいっぱい注入します。そして段ボールに詰めてトラックの荷台へ乗せられていきました。

行き先は主に関東地方。加工業者へ行くものもあれば、直接料理店が仕入れるものもあるようで。その他は地元のお店や組合の加工場にも出荷されます。

ところで食欲旺盛なウナギが養鰻池を出てから何日も餌を食べていないのを見て、いったいどのくらい空腹で生きられるのか素朴な疑問を漁協の人に投げかけたところ、1カ月くらいは生きていられるとのことです。驚異的な生命力に驚きです!疲労回復や滋養強壮に期待するのも納得ですね。

 

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