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美味しい静岡・いっぴんコラム

はばたけ!しずおか農芸品(7)桜えびの巻

海に囲まれた日本の中でも、
駿河湾でのみ水揚げされる「海の宝石」。
桜色に輝くその姿は、体長わずか4~5cmほど。
静岡を代表する故郷の味でもある。

深いところでは水深2500メートルにもなる駿河湾。世界で最も深いこの湾には、南アルプスをはじめとする緑豊かな山々から、安倍川、大井川などの河川が流れ込み、太平洋を巡る黒潮がまじり合う。そのため、古くから格好の漁場として知られ、豊かな海の幸がもたらされてきた。
なかでも桜えびは、特に知られる駿河湾の味覚の代表である。今でこそ、静岡の特産として全国に認知されているが、漁の歴史は意外と浅い。明治期、漁に出ていた漁船が、偶然海の深みに落ちてしまった網を引き揚げたところ、思いがけず桜えびが大量にかかった。それが桜えび漁の始まりと伝えられる。

国内で漁が行われるのは駿河湾のみ。由比漁港や大井川港などで水揚げされているが、その期間は3~6月の春漁と、10~12月の秋漁のみと決められている。これは、夏にかかる産卵期をあえて避ける取り組みである。また、水揚げされた漁獲量を、漁協に所属するすべての船で平等に分配する「プール制」をとっている。これは日本では大変珍しいシステムで、地域をあげて漁場を守っていこうという姿勢がうかがえる。
水揚げされたばかりの桜えびは透明のピンク色。美しいその姿はまさに海の宝石である。毎年5月には由比漁港で「桜えび祭り」が開催され、県内のみならず県外からも多くの人が旬の味覚を楽しみに足を運ぶ。
新鮮な生桜えびを刺身で、また釜揚げにしたものはどんぶりやその他の料理で彩りと風味を添える。また、富士山をバックに、一面を桜色に染めて天日に干される様子は、静岡ならではの見どころ、味覚をギュッと凝縮した風景と言えるだろう。

桜えびを使ったさまざまな加工品も登場しているが、「桜えびと言えばかき揚げ」という人は少なくない。その人気は、平成19年度、農林水産省の「郷土料理百選」に選定されるほど。サクサクで香ばしい味は、自然の恵みと、漁にかかわるすべての人に感謝したくなる。

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