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美味しい静岡・いっぴんコラム

はばたけ!しずおか農芸品(5)お茶の巻

ペットボトルの登場で、日本茶をめぐる環境は激変した。
それでも今なお「なじみのお茶屋で茶葉を買う」。
そのことに、こだわり続ける静岡県民は多い。

静岡の特産品として真っ先に「お茶」をあげる人は少なくないはず。それは、荒茶生産量日本一(平成22年度。総生産量85,000tのうち静岡県は39.3%)として、「静岡茶」ブランドが広く全国に知られている、ということだけではなく、私たちの暮らしの、ごく身近なところで作られ、折にふれ、その姿を見、味わうことができるからだろう。

西は「天竜・森・春野」から、掛川を中心とした「中遠」、大井川上流の「川根」、広大な台地に広がる「牧之原」、岡部、藤枝、島田の山間地「志太」、安倍川、藁科川の山間地帯の「静岡本山」、日本平と興津川流域で作られる「清水」、そして裾野、愛鷹山周辺の「富士・沼津」。東西に長い静岡は、どこを訪れても、それぞれの産地の気候や土壌が育む、特徴あるお茶に出合える。

 

聖一国師が、中国から持ち帰った茶の種を足久保(静岡市葵区)に植えたのが約800年前。以来、政治の重要なシーンにも時おり、お茶を介した人間模様が描かれるほど、人々にとって密接な存在となった。
静岡茶の生産が本格化したのは、意外にも明治以降のこと。外国への輸出を見込んで茶の品質向上、生産量アップを図ろうと、土地が開墾され、機械が開発され、運輸の道も拓かれた。いまや静岡茶の9割を占める「やぶきた」も、明治時代に静岡で発見された品種。静岡の歴史をひもとけば、産業にも文化にも、お茶にまつわるエピソードは数えきれない。

缶やペットボトルのお茶が普及し、急須と茶葉という従来のスタイルが一変した一方で、緑茶の成分が「インフルエンザやアレルギー、肥満などに効果がある」という研究が発表され、話題にもなった。科学的に証明されるのも、その結果が世界的に注目されるのも、喜ばしいことではあるけれど、日本茶を前にしたときに感じる、ホッとした心もち、なんとも言えない安心感は、もはやお茶とともに生きてきたゆえの条件反射のようでもある。

 

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